最終審査員

  • 嶋 浩一郎氏

    博報堂・博報堂ケトル
    執行役・クリエイティブディレクター/編集者

     審査員からのアドバイス

    モノの売られ方はここ数年でかなり変わりましたね。モノの消費から、コトの消費へ。パーソナライゼーションと言われる消費のカスタマイズも進みました。デジタルデバイスの進化によって「commerce anywhere」、どこにいても買い物ができるという概念もあたりまえになりつつあります。コロナによって巣篭もり消費も生まれたし、今はリベンジ消費が期待されていたりします。販促の企画は時代の空気を吸い込んで、絶えず進化していかなければ、ワークしなくなってしまうし、おもしろくありません。応募者の皆さん、この変化を超えるスピードでアイデアを生み出していってください。デジタル化は消費を最適化、最速化していきます。このことは、見方によっては購買行動を作業にしてしまう一面も持っているわけです。あたらしいモノ、サービスとの出会いには、本来エモーショナルな体験価値が伴ってほしい。そんな体験を生み出す企画をぜひ考えてください。そのためには人間を知ることがもっとも大事だと思います。やり方は自由。人について考え抜き、人を動かすあらゆる手段を動員してみましょう。審査会場で皆さんの珠玉のアイデアと出会えることを楽しみにしています。

  • 井上 忠司氏

    ビーコンコミュニケーションズ
    エグゼクティブ クリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    今年は、ChatGPTを活用してAIが考えた企画とかが、出て来そうな予感がしますが、やはり人間が知恵を絞って真剣に考えた企画が見たいものです。この販促コンペは、企画一本で勝負する場ですので、門戸も広く、応募される人の数も桁違いに多いのも特徴です。誰もが受賞したいと思っても、そこに至る倍率は非常に高く、勝ち抜くのが大変難しいコンペでもあります。とはいえ、企画を考える時にやらなければならないことは、複雑なものでも特殊なものでもないと思います。課題にある商品やサービスをよく知ること。実際に使ってみる。実際に飲んでみる。実際にやってみる。など、選んだ課題を実体験してみるのが、良い企画を生む最初のステップだと思います。いきなり考え始めるのではなくて、体験してみて感じてみて、良かった点、悪かった点、足りない点を見つけ出し、そこから企画を組み上げる。机上の空論ではない現実が、おもしろい企画の第一歩です。

  • 奥谷 孝司氏

    オイシックス・ラ・大地/顧客時間
    専門役員(COCO)/共同CEO取締役

     審査員からのアドバイス

    企画を立てる時には次の3つを意識してみてください。1つはスマートな顧客体験設計で、クライアントのサービスがどのようにお客さまの課題解決につながるかを伝えること。2つ目はそこに本物感、本気感を込める。お客さまは本物しか求めていません。クライアントの本気を見つけてください。最後に、ウェルビーイングであること。ここでの意味は常にこの企業とつながり続けたいと思えるような状態を指します。それを企業のミッションと照らし合わせながら、顧客体験設計してみてください。秀逸な顧客体験設計プランお待ちしております。

  • 長田 麻衣氏

    SHIBUYA109エンタテイメント
    SHIBUYA109 lab.所長

     審査員からのアドバイス

    「良い企画」は、「バランス感覚が良い企画」だと思います。テクニックと熱量、現実と理想、機能と情緒、SNSとリアル等、それぞれが均等なバランスが取れているというよりも、クライアントや商品・ターゲット・社会の空気に合わせて絶妙にチューニングがされている状態。この状態を実現するために自分の企画を何度も疑い、検証を重ねることで、「フィジビリティが高く、人が動く企画」にたどり着くのだと思います。今年も沢山の素敵な企画に出会えることを楽しみにしています!

  • 尾上 永晃氏

    電通
    プランナー・CD

     審査員からのアドバイス

    企画の検討チェックリスト

    □自分もしくは身近な誰かは絶対動く。
    □商品をちゃんと試したりして愛せている。
    □過去に類似のものがないか調べた。
    □30秒で説明してそれ面白いねと言われるくらいシンプル。
    □実際にやってみてできた。もしくは、できそう。というリアリティ。

    といったあたりが満たされていると良い企画だなと思われる率が高いはずです。あと個人的には、そんな簡単なことでこんな大きな効果が!?という、発見感のあるものほど良いアイデアなんじゃないかなと思っています。

  • 工藤 萌氏

    スープストックトーキョー
    取締役
    BRANDFARM
    取締役 ブランディングディレクター

     審査員からのアドバイス

    企画には、ヒトの認識を変え、行動を変える力があります。変えるその先、すなわち「企画の目的」が一番大事だと思います。変えた世界と変わらなかった世界、その差分にどんなわくわくが詰まっているでしょうか。それは、「その企画の存在意義は何なのか」、という問いとも言えるかもしれません。クライアントのお題の背景も理解しつつ、使命感や意義が人の心を動かすと信じています。今この時代に、産み落とさねばならなかった必然性と強い共感性のある、その手があったか!と唸る作品と出会えることを楽しみにしています。

  • 吉柳 さおり氏

    ベクトルグループ/プラチナム
    取締役副社長/代表取締役

     審査員からのアドバイス

    人をどう動かすか?を考えるためには、まず自分が動かされる当事者になってみて、動くかどうかを考えることが大事だと思います。リアルでもデジタルでも売り場にいってみて、商品を触る、どうやったら気持ちよく買うのか、そこに巻き込まれて動くスイッチとなるのか。その行動導線に自分でのってみないと、スイッチはわからない。そして、その没入したヒラメキを得たら、今度は、真逆の客観者になって、その巻き込まれ方に、不自然さはないか?嫌味はないか?リアリティ度を検証するのも大事です。当事者から生み出された、素敵なスイッチ案のご応募、お待ちしています。

  • 児玉 昌彰氏

    フロンティアインターナショナル
    マーケティングプランニング本部 本部長

     審査員からのアドバイス

    企画をするうえで、アイデアのひらめきをどう創るのか。簡単ではないですよね。まずはきちんと企画の背景を整理し、どこにポイントを置くのか考察し、ターゲットになりすまして心理を深く掘り下げ、潜在的な欲求を見つけ出しアイデアを導き出す。うーん、でもアイデアが出ずに、頭の中で考えがぐるぐると堂々巡りすることもあります。そんな時は誰かと会話をし、別の視点で考える機会を作るのも必要です。それこそ話題のAIチャットボットと会話するのもありだと思います。そこから抜け出すきっかけになるかもしれません。また、その企画はターゲットだけでなく、ステークホルダーや社会にどんな効果をもたらすのかも考えてみてください。企画が別の形で膨らむかもしれません。皆さんが考えた今までの枠組みに囚われないアイデアを楽しみにしています。

  • 桜田 圭子氏

    宝島社
    執行役員 マーケティング局 局長

     審査員からのアドバイス

    嗜好が細分化され、AIが普及した今の時代には「エンパシー」の能力が求められていると思います。自分とは異なる価値観や考えを持つ人の立場に立って、相手の気持ちを想像してみるという作業が一番大事かも知れません。課題を選ぶ際は、企業の担当者がどんなことに悩んでいて、どのような想いでこの課題を設定したのかを想像してみてください。そして、企画を考える際は、誰に対してどんなコミュニケーションを取るのか、ターゲットがどんなインサイトを持っているのかを想像してみてください。コンピューターには考えられない、心の琴線に触れるような温かいアイデアを楽しみにしています。

  • 嶋野 裕介氏

    電通
    クリエーティブディレクター/PRディレクター

     審査員からのアドバイス

    審査員として、いい企画をちゃんと選ぼうと思います。いい企画とは、「いま買おう」とターゲットのカラダを動かすものでありながら、同時に「これからも買いたいな」「この商品が好きだな」とココロまでも動かしてしまうもの。優れた販促は、未来への投資だと思います。企画書だけで100万円もらえる美味しい機会を、見逃す手はありません。みなさんの、キラキラ(ギラギラ)した企画書をお待ちしています。最後の最後までこだわってみてください。

  • 中條 裕子氏

    ADKマーケティング・ソリューションズ
    ビジネス・マネジメントセンター長代理
    ADKクリエイティブ・ワン
    ビジネス・マネジメントセンター事業戦略局 局長

     審査員からのアドバイス

    昨年の審査では、「具体的な成果が見込めそうなことは勿論、その先の成果まで考えられていて、且つ、フィジビリティがしっかりとケアされている企画」を高く評価しました。基本的なことですが、まずは、課題を深く理解し、企業と取り巻く環境について十分に知ることが大事です。そして、「実際に人が動きそうか」「そのロジックに綻びがないか、無理がないか」「実現のボトルネックがないか」、自分のアイデアを客観的に見てみること。今年も、沢山の素晴らしい企画に出会えることを楽しみにしています。

  • 林 知幸氏

    ワークマン
    役員待遇営業企画部長 広報部長

     審査員からのアドバイス

    企業が抱える経営課題をアイデア一つで多くの人を巻き込みながら解決していく「アイデア・トランスフォーメーション」のような企画を期待しています。ただ企画は一人で考えることはできても、それを実行していくためには多くの人が少ない予算で、限られた時間の中で行うことが重要で、そのためには共感が持てるストーリー性が必要になります。多くの企業はこれまで築いてきた伝統やブランドを大切にしますが、企業の強みを活かしていれば古い伝統や考えをぶち壊し、新たに変化させるのも一つの手でしょう。まだ世の中にない消費者のインサイトを見事についた企画であると同時に、「あの企業がこんなことを⁉」というような斬新な企画を期待しています。

  • 藤井 一成氏

    ハッピーアワーズ博報堂
    代表取締役社長 エグゼクティブクリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    長く続いたデフレを終えて、インフレの時代がやってきました。サービスや製品の価格が上がるなか、今まで以上にブランドの付加価値を高める提案を行わなければなりません。倫理観をもった「正しさ」に、欲求を駆り立てる「楽しさ」があるか。ブランドの「らしさ」はもちろんのこと、そこに「あたらしさ」が提案できているか。審査のクライテリアは、人を”動かす”ことですが、企画にブランド価値を拡大する視点を加えれば、中長期的なビジネスにも効いてくる新価値創造のビッグアイデアが生まれるかもしれません。今年もワクワクしながらみなさまからの企画をお待ちしております。

審査員

  • 市川 晴華氏

    CHOCOLATE Inc.
    プランナー クリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    企画書なしで、周りの信頼する人に「こんな企画なんだけど、どう思う?」と簡潔に説明してみてください。「いきなり」、というのがポイントです。その状態でも「おもしろいね」と言ってもらえる企画は、シンプルで整理された"いい企画”だと思います。いつも企画書で説明していると、伝える武器がない状態で説明するのは怖いですよね。でも、伝わらなくても、伝わっても、すごく学びがあるので、おすすめです。

  • 加藤 大氏

    モメンタム ジャパン
    シニア・クリエイティブ・ディレクター

     審査員からのアドバイス

    企画書にはセンスと想いが宿ります。「販促コンペ」は、少ない枚数のドキュメントだけで(トークで説得するのではなく)相手の気持ちを瞬時に掴まないといけないショートプレゼン。ここでの勝負は、わかりやすくシャープなアイデアと強いメッセージが有効です。私は審査員として5年目になりました。今年はどんなタイプの作品が集まるのでしょう。アフターコロナの時代の気分を肌で感じている企画かな。とても楽しみです。皆さん、企画が完成したら、ぜひ一歩引いて想像してみてください。自分が書きあげた企画が、この瞬間に他人の企画として実施されているとしたらと。この企画に共感できるか(自分の企画だからというのではなく)。自分は誰よりも先に製品購入して、誰よりも先に体験をSNSで友達に教えてあげたくなる内容なのか。少なくとも企画者自身がそう確信できているアイデアであれば、それだけでも企画書に熱量がこもると、私は思います。

  • 菊池 雄也氏

    電通プロモーションプラス
    クリエイティブディレクター/コピーライター

     審査員からのアドバイス

    第1回に参加して以来、毎年どんなアイデアが生まれるだろうとワクワクしています。今回は後輩によく言う5つのポイントをお伝えします。

    ①「課題から叶えたい未来を設定する」まずは課題をしっかり捉える。何が課題か、なぜ課題なのか。そしてアイデアの前に叶えたいゴールを先に設定する。
    ②「アイデアは課題ではなく未来を見て考える」設定したゴールを実現するアイデアを、未来からの逆算で考える。前向きに、楽しく、ユニークに♪
    ③「はじめからいいアイデアを出そうとしない」これ意外と大事。まずは無責任にアイデアの種をたくさん撒く。その種からアイデアは発芽する。
    ④「アイデアを固有名詞にする」かぶらないユニークなアイデアを考える。かぶっても勝てるアイデアに鍛え上げる。そして強い企画タイトルをつける。
    ⑤「自分は本当にやるか?動くか?検証」自分に嘘はつけないから本当に自分はやるか?を素直に厳しく検証する。最後は心の声を信じる。

  • 來住 貴宏氏

    電通
    コミュニケーション・プランナー

     審査員からのアドバイス

    「数打ちゃ当たる!よりも、一発必中!の企画を。」応募作品数に制限のない販促コンペ。思いついたアイデアをとにかくたくさん応募すれば何かがひっかかるかも!と思ってしまいがちですが、あまり良い作戦ではないように思います。というのも、販促コンペのレベルは年々上がっており、今ではとてもハイレベルな戦いが繰り広げられています。「課題解決に向けて具体的な成果が見込めそうか?」「お客さまのインサイトを深くとらえているか?」「アイデアに発見や驚きはあるか?」「人が動くリアリティはあるか?」「実現する可能性は高いか?」など、上位を競う企画はこのような問いにしっかりと応えられるものに仕上がっています。ぜひ、ひとつひとつのアイデアを大切に磨いてください。皆さまの珠玉の一案に出会えることを楽しみにしています。

  • 小髙 龍磨氏

    I&S BBDO
    クリエイティブ局 シニアクリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    課題を決めて直ぐにアイデアを捻り出そうとせずに、そのブランドや商品に関する情報を頭にインプットして暫く寝かせてみましょう。その課題を意識しながら、いつもと違う視点で普段の生活を送ってみると、新しい発見や発想が生まれるかもしれません。自分の生活の中で、楽しい!おもしろい!凄い!と感じる事柄に、人が行動を起こすヒントが眠っているはずです。それを見逃さずにアイデアのカケラを見つけたら、周りの人に話すのがオススメです。話しているうちに、大事なポイントが絞れてきて、アイデアが研ぎ澄まされシャープになるからです。最後に、アイデアや企画を考えることを楽しんでもらいたいなと思います。作り手が楽しまないと、見る人の気持ちに響くものは作れないと思うので。みなさんから、心にグサッと刺さるような刺激的で楽しいアイデアをお待ちしています!

  • 笹垣 洋介氏

    博報堂 アイ・スタジオ
    執行役員・インタラクティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    AIなどの技術進化、環境の変化が激しい昨今、ついそちらに目が行きがちですが、改めて人間を観察する事が大事になっていると感じています。どんなときに人の心が動くのか、IT技術があることで生まれた新しいコミュニケーションや生活様式は人の心をどう変えているか?あるいは変わらないのか?自分という最も身近なサンプルからでも俯瞰してみれば新たな発見があったり、言語化されていない問いが見つかるかもしれません。とかく自分がワクワクできない企画で人を動かすことは難しいので、理屈の正しさや技術の新しさに囚われず、人間の気持ちを揺さぶるような強さをもったアイデアに期待します。

  • 貞賀 健志朗氏

    ADKクリエイティブ・ワン addict
    クリエイティブ・ディレクター/クリエイティブ・テクノロジスト

     審査員からのアドバイス

    AIの進化でこれまで以上にテクノロジーを活用したコミュニケーションが可能になると思いますが、安易な「役に立つ解決策」に陥らないよう気をつけてください。ユニークな取り組みであることや、人の感情を動かして成果を生むことが求められるので、実はアナログな手法が有効かもしれません。体験者の心境や一挙手一投足をできるだけ具体的に想像して、数百案のどのアイデアとも違うものを目指してください。拝見できるのを楽しみにしています。

  • 白井 雄樹氏

    東急エージェンシー
    第1統合ソリューション局プランニングディレクター/コンテンツプロデューサー

     審査員からのアドバイス

    「その手があったか!」と、にやにやしちゃう企画をお待ちしてます。

    その為には、
    ①“ありそうでなかった感”を突き詰めてみる
    とにかくジャンプした企画を考えるのではなく、ふとした“気づき”や“全く違う業界の取り組み”から、言われてみればこのブランド/業界になかったよな〜となる企画を探ってみる。
    ➁企画内容を一行で伝えることができる
    色々な方に企画を説明する際に、多く説明を必要とする企画は強くなれないケースが多いです。シンプルなコアアイデアの発見を粘ってみる。
    ③「オリジナリティにはとことん拘る」
    企画ができそうになった時にそこから、あと一歩粘って《私はよくコピー、PR視点を見直します》

    他が追随できない企画に昇華させてください!楽しみにお待ちしております。

  • 染野 智氏

    大広WEDO
    東京クリエイティブ力Division・局長

     審査員からのアドバイス

    自分が生活者視点でみて『この企画あったら参加しちゃうなー』って自分でわくわくしちゃう企画を考え抜く。そのわくわくを大声でシンプルにぶつけてみて下さい。大声の企画書は埋もれずちゃんと届きますよー!

  • 武井 慶茂氏

    ビーコンコミュニケーションズ
    グループクリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    企画をする時、どうしても取り組みやすい企業を選択すると思います。ですが、取り組みやすい企業というのはどうしてもみんなが考えやすく、競争も激しくなると同時に、企画の似通ったものがどうしても多くなります。そこで戦うのももちろん良いことですが、馴染みがあまりないクライアントの方が、予備知識がない分、思い切った企画を出せると思うし、賞にもつながるのかなと思います。

  • 田村 香穂理氏

    ADKクリエイティブ・ワン
    総合プロデュース第2センター 第2デジタル・コミュニケーション局 コミュニケーション・ディレクター

     審査員からのアドバイス

    自分だったら参加するか?魅力に感じるか?を冷静に判断する「ターゲットの視点」、できるだけその商品を使い、体験してみて気付く「ブランドの視点」、世の中にどう受け入れられるか?を見つめる「社会の視点」……アイデアを考える時も、これだ!というアイデアがうまれたあとも、さまざまな視点から見つめ直し、納得性とオリジナリティを高めていくことを大事にしていただけたらと思います。そして、プレゼン資料勝負の本コンペでは、“伝え方”も同じくらい大切になってきます。見せ方はもちろん、どうしてこの企画が人の心を掴むのか?数ある企画の1つではなく、「この企画じゃなきゃいけないんだ!」と読み手に思わせるストーリー作りもポイントだと思います。今年もたくさんの気付きに出会えることを楽しみにしております。

  • 津田 裕氏

    マッキャンエリクソン
    Group Planning Director

     審査員からのアドバイス

    独創的なアイデアを作ることは、もちろんたいせつです。でもそれ以上にたいせつなのは、そのアイデアが本当にワークするかどうか、の検証かもしれません。そこにはイメージする力が絶対的に必要です。自分だったら(あるいはそのターゲットに近い自分の知っている人だったら)、その企画に参加してくれるだろうか。反応してくれるだろうか。ホントに?この忙しい日常の中で?他にもいろんな魅力的なコンテンツが楽しめる時代に、わざわざやる?得られるベネフィットは、その時間コストや作業コストに見合っている?自分の作ったアイデアに酔うことなく、「動いてくれるはずだ」と都合よく解釈するのではなく、あくまでアイデアを客観的に、前向きに「自己批判する」こと。そのフィルターを勝ち残った、磨かれたアイデアこそ、受賞に限りなく近い作品になるのではないかと思います。今年もそんな作品たちに出会えることを、心から楽しみにしております。

  • 天畠 カルナ氏

    博報堂
    アートディレクター

     審査員からのアドバイス

    初めて審査員をさせていただいて驚いたのは、思った以上にアイデアがかぶること。そして、課題によって応募数が5倍以上違うこと。去年のグランプリ、「オセリポ!」は応募数も特に多い中でかぶることなく、かつ誰もが一瞬で分かる明快なアイデアでした。「シンプルなのに人と被らないアイデアか」当たり前ですがそれに尽きると思います。アイデアは考えれば考えるほどわからなくなってくると思います。そんなときはこのアイデア、家族に突然見せて伝わるかな?一言で説明できるかな?一歩と言わず10歩くらい引いてみてください。まずはそれができたら企画を詰めていくのみです!

  • 中里 栄悠氏

    ジェイアール東日本企画
    コミュニケーション・プランニング局 ストラテジック・プランナー

     審査員からのアドバイス

    このコンペが求めるのは人が動く“斬新なアイデア”。つまりアイデアの新奇性が試されています。受賞作品は総じてブランドとターゲットとのこれまでなかった出会いや、今までにない新たな関係性を提案しています。新奇性はそれ自体が人を動かす大きなエネルギー。その意味でも既視感の強い企画が選ばれる可能性は低いので、文字通り“斬新”にこだわってほしいと思います。と言ってもブランドらしさとターゲットインサイトが重なる部分を探る、というプランニングの基本となる考え方は変わらないと私は思います。そうした思考の先に企画の輪郭もおぼろげに見えてくるはずです。そして良いアイデアを思いついた時こそ他の人も思いついているかも、という想像力を働かせて、“斬新”についてもう一歩踏み込んで考えてほしいと思います。今年もたくさんのご応募をお待ちしています。

  • 松重 宏和氏

    ボランチ
    代表取締役社長/Creative Director

     審査員からのアドバイス

    販促コンペの審査員を担当してから、毎年平均してだいたい400〜500件ほど審査をしていますが、素晴らしいアイデアに共通しているのは、メッセージが明確で、伝わるまでのスピードがはやく、そして実現したところを想像し、ここからさらに広がるにはどうしたらいいんだろうと、思わず勝手に妄想を膨らませてしまう、そんなアイデアです。不安からか、つい言いたいことややりたいことをてんこ盛りにしてしまいがちですが、それは逆効果かもしれません。シンプルイズベストを心がけて、まずは誰が見ても分かりやすいアイデアになっているかどうかを意識してみてください。今年もたくさんのワクワクするアイデアと出会えることを楽しみにしています。

  • 山本 伸明氏

    矛盾社
    代表/クリエイティブディレクター

     審査員からのアドバイス

    2015年より審査を担当させていただいていますが、過去の受賞作を振り返ると、今見ても魅力にあふれた優れた企画もあれば、その時代だからこそ受賞できたのでは?という企画もあります。時代を超えて成立する企画は、勿論すばらしいのですが、一方で企画はナマモノという考え方もあります。人間の本能や行動原理といったものは有史以来大きくは変わっていないと思いますが、我々を取り巻く世界情勢や、それに伴う購買行動というものは日々刻々と変化しています。令和になって早5年。時間はどんどん進んでいます。そんな時の経つ速さに意識を向けながら、今年だからこそ出来るものをと振り切って考えることで、まだ誰も企画にしていない斬新なアイデアを見つけられるかもしれません。